ムスカリ


現代人は四季感が喪失したと言われて長くなりますが、温帯地方に住む私達は昔から気候の変化や四季の移ろいを敏感に感じてきました。
 
自然界ではいち早く春の草花が姿を見せてくれます。
 
花壇にはパンジー、ビオラ、デージーなどの一年草、クロッカス、ヒヤシンス、スノーフレーク、スイセンなどの球根類、野にはタンポポ、フクジュソウ、スミレ、カタクリなど春の花は華やかさを演出してくれます。
 
花壇の隅ではムスカリの花がポツポツと咲きました。

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☆ヒサコの一句☆

ムスカリや 弥生の風は 花冷えて
 
ムスカリはブドウの房のような花穂をつけ、その形が他の花と違っておもしろく、背丈は矮小なのに目立っています。
 
花色は濃青紫色、その美しさは際立っています。
 
ムスカリの仲間で壷形で小さな花を密につけるアルメニアカムが有名です。アルメニアの産で葉は6〜8枚、花茎は20センチぐらいで直立して花をつけています。

片隅で咲き出したムスカリが存在感を発揮してきそうです。



カンヒザクラ


大木が鬱蒼と茂った神社の境内に入ると薄暗い静寂の中、じっと上空を見ると、時折、奇声を発する小鳥の鳴き声に驚かされます。
 
近くの古い民家に珍しくカンヒザクラ(寒緋桜)の花が咲いていました。

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☆ヒサコの一句☆

ひらひらと 小川に散りぬ 寒緋桜
 
寒中に咲く紅いサクラで、花はサクラの中で最も紅い色をしています。ソメイヨシノやボタンザクラとはまた違った美しさが見られます。
 
形は釣鐘状でガクが太く短いのが特徴です。

花は下向きに咲きます。
 
カンヒザクラは別名、ヒザクラ、ヒカンザクラとも呼ばれ、原産地は台湾、中国南部など亜熱帯のサクラで寒さに弱く日本では伊豆や鹿児島地方では早く咲くそうです。
 
関東から西の地域では3月下旬から4月上旬に咲くといわれています。
 
ほのかに香る白水仙、黄水仙があたり一面に咲き、神社の下の小川は清く澄み切った水がサラサラと静かに流れています。

花冷えのような風が寒がりのカンヒザクラに容赦なくあたり、とても辛そうです。

ミツマタ


春に時雨がやってきて、冷たい雨に打たれ草や木々の花が元気をなくしそうなそんな空模様になりました。
 
枝が三つまたに分かれ半球形に咲いているミツマタ(三椏)の花が神社のそばで小雨に濡れながら咲いていました。

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☆ヒサコの一句☆

ミツマタや 鳥居の陰で 見え隠れ
 
満開になると枝先に黄色い花をつけ、ふわふわとした洋菓子のようです。
 
ミツマタの花はジンジョウゲの花によく似ています。花色は黄色ですがこれはガク片の内面が着色して花ビラに見えるだけで、外側は白い毛が密生していて本当の花ビラではありません。
 
3月〜4月、先が四裂した黄色の細い筒状の花が葉の先に30〜50個ぐらいの大きな球形をして下向きに咲いています。
 
ミツマタの原産は中国、ジンジョウゲ科の落葉低木、繊維が紙幣になることで知られています。
 
また皮の繊維は非常に硬く、手折ることは難しいかも知れません。
 
ミツマタは春らしい淡黄色、風にに揺られてそよぐ姿はなんともユニークで見ているとゆったりとした気分になります。

白いミツマタ
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タグ:ミツマタ

スノーフレーク


春は寒暖の日があるので体調の管理が難しいです。
 
雪が低く垂れ込め少し肌寒くなりました。

そんな中、優しく清楚で風情のあるスノーフレークが咲き始めました。

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☆ヒサコの一句☆

スノーフレーク 寺の静けさ 風ゆるむ
 
葉や球根はスイセンによく似ています。

花はスズランに似ているため、和名スズランスイセンと呼ばれています。
 
私にはスズランスイセンの方が馴染みが深いですね。
 
花色は純白、小さなふくらみをもって垂れ下がり、花弁の先端に緑の班紋があり、清々しく気品を感じさせます。
 
花壇に球根を植えておいても毎年、香りのあるキズイセンやニホンスイセンともに可愛らしさを競いながら春を楽しんでいるようです。
 
スノーフレークはオーストリアの原産、ヒガンバナ科、白い花に緑の斑点がありますが、秋咲きのスノーフレークは小ぶりで斑点がありません。
 
丈夫で毎年、葉の茂りが多く元気がいいです。

小さな白い花はふえて花壇は賑やかになります。

ジンジョウゲ


東京では例年より早くサクラが開花、賑やかな球春の季節がやってきました。
 
今日はあいにくの雨になりましたが庭に下りると強い香りが漂いはじめ足を止めるとジンジョウゲ(沈丁花)の花が咲きはじめたんです。

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☆ヒサコの一句☆

雨上がり 匂いのさきは 沈丁花
 
名前の由来は花が沈香と丁香をあわせた香りがするためこの名がついたといわれます。

花色は淡紅色と白、雌雄異株の花木ですが中国から日本に渡来したのは雄株だけだったため、日本で栽培されているのは花が咲くだけで実がなりません。

しかし、たまに雌性の株があって花が終わったあとグミのような紅い実をつけるのもあるといいます。

一度観賞してみたいですね。
 
愁いをおびたやさしい香りを漂わせているウメも満開をすぎ、ジンジョウゲが花開くと強い香りに足を止めしみじみと本格的な春の訪れを感じさせてくれます。
 
雨模様の向こうから木々の間や先端に鮮やかな緑の色が目立ちはじめました。

ネモフィラ


春に咲く路傍の野草、オオイヌノフグリの清々しい青さに似たネモフィラが爽やかな花色を見せていました。

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☆ヒサコの一句☆

墓参り 青に埋もれて ネモフィラ
 
ネモフィラは青い花の中心が白く、英名をベビーブルーアイズ(赤ちゃんの青い瞳)といわれるように欧米人の子供達の青い眼を思わせる花です。
 
和名をルリカラクサ(瑠璃唐草)といわれ、葉が唐草模様のような羽状複葉のような形から呼ばれているそうです。
 
閉ざされた寒くつめたい冬から春の訪れとともに草花は小さな蕾をふくらませ、やがて可愛らしい花を見せて私達の心を和ませてくれます。
 
ネモフィラはそんな春にふさわしく、可愛らしさを精一杯見せています。
 
この花は北アメリカ原産、ハセリソウ科の一年草で、3月から5月頃、庭植えや鉢植えにも最適な花です。

4月頃には太平洋にめんした常陸海浜公園は一面、海の青さが地平線まで続いたような雄大な広さで咲きほこっています。

トサミズキ


暖かな春の風は、お隣中国から黄砂を運んで植物の花粉と同様、辛い日々となりました。
 
四月になるとサクラの花で美しく彩られる公園は今、木々の新芽が春を待ちわびて元気を取り戻し、活気づいたようです。

小さな子供達の遠足なのでしょうか。

元気な声が聞こえ賑やかになりました。
 
公園にめんしたなだらかな土手にはトサミズキ(土佐水木)が淡黄色の花房を吊り下げて咲いていました。

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☆ヒサコの一句☆

土佐みずき 彼岸の入りに 初見染め
 
トサミズキの枝は硬く男性的ですが、花房の色はやさしい淡い黄色でなかなか風情があります。
 
釣鐘状をした花は、一花房に7〜8個ずつ下を向けて咲き、その鈴なりに咲いた姿は華やかで春らしい感じがいいですね。
 
トサミズキはマンサク科で、名前の通り、四国の土佐産、切リ花用や庭園の樹として栽培され、南国生まれの花木なので日当たりを好みますが日陰でも比較的丈夫な植物です。
タグ:トサミズキ

ヒヤシンス


ヒヤシンスはスイセンやパンジーとともに弥生三月を彩る華やかな花です。

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☆ヒサコの一句☆

ヒヤシンス 猫の忍び声 隠れ月

花色や形、香りもよく気品に満ちた美しい花です。
 
肉厚の細長い葉の中から伸びた太い花茎に甘い香りがして、花穂をたくさんつけて咲いています。
 
ヒヤシンスはギリシャ、シリア、小アジア地方に原産するユリ科の球根植物です。16世紀にオランダ人によってヨーロッパに伝えられ品種改良が進み、今日のような園芸品種が生み出されたといわれます。
 
日本には安政年間に伝えられたそうで、この美しい花が明治時代以前からあったとは驚きです。
 
ヒヤシンスは一重と八重の品種があり、花色も豊富、水栽培で育てることが出来ます。

ヒヤシンスの根に呼吸させながら暗いところで発育させ、充分、根がついた後は冬と同じ低温にして、はじめて日光に当てながら温めてやります。
 
花が終わったら水中から出して、水とともに埋め戻しておくと1〜2年後に回復し、やがてしっかりとした花が咲きます。
 
花壇の真ん中で香りのスイセンに本数では負けそうですが、姿、形の華やかさは草丈は小さいながらも女王様然としています。
タグ:ヒヤシンス

フクジュソウとクロッカスの花


春の野には、もうお馴染みのタンポポや、ルリ色の花冠が美しいオオイヌノフグリ、紅紫色のホトケノザが春の陽を満面に浴びて元気に咲いています。

今年は暖冬で自然界の植物にも、春がひとあし早くやってきたのでしょうか。
 
黄金色に輝いているフクジュソウ(福寿草)の花が満開になりました。

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蕾のフクジュソウは冷たい地面からやっと顔をだして、春の陽を眩しげに浴びていましたが、暖かい3月の風に茎が直立して伸び、葉は人参の葉のように茂っています。
 
やがて初夏の暑さがやってくる頃には枯れてしまうのが残念です。

花のあとの果実はコンペイトウのような形になって種をつけ、それが熟してこぼれ落ち、そのまわりに実生の苗が育ちます。
 
同じくクロッカスの花が暖かい三月の陽を浴び、小さいながらも地を這うように咲いています。

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☆ヒサコの一句☆

花粉症 萌え出る春に 心乱れて
 
庭に植えっぱなしでも毎年、美しく華やかな花色を見せて、私達の目を楽しませてくれます。
 
ワインカップ形の花の形は可愛らしく、温度が高くなると花が開き、夕方には閉じてしまいます。
 
細長い葉は銀色の線が入っているのも美しいのです。
 
冬の冬眠から醒め、春を待ちわびた様々な植物、明るくなった自然のエネルギーには驚きの一言です。

ニホンズイセンとハナニラ


春の野道に、清楚でさわやかな香りとともにニホンズイセン(日本水仙)が顔を見せていました。

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☆ヒサコの一句☆

月満ちて 水仙香る 春の宵
 
私の家の庭にもスイセンが陽のあたる場所で、生き生きと咲いています。
 
スイセンは世界中でたくさんの種類がありますが、ニホンズイセンは、どことなく愁いを帯びて優しく見えます。

厳寒の冬をじっと耐え今、ほんのり甘い香りをのせ、春の訪れを喜んでいるようです。
 
スイセンとともに、庭いっぱいに春の雪がうっすら積もったように見えるハナニラ(花韮)が咲きました。

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ハナニラはニラの一種ではなく、地下に球根があり、花は一茎に一花しか咲きません。

葉は少しニラの匂いもするし形も似ています。

丈夫な植物で一度植えると、あちこちに広がって咲きます。
 
早春になると星形の花を咲かせるので英名をスプリングスターフラワーといわれるそうです。
 
原産地はアルゼンチン、ユリ科、2〜3月から4月にかけてあちこちに可愛らしい顔を出しています。
 
美しい草花が次々と咲く春、待ちどうしかった春は、私にとって花粉症がもっとも辛い季節で困ってしまいます。

サンシュウの花


春を彩るロウバイやマンサクとともにサンシュウの花が黄色の美しい花を咲かせていました。

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☆ヒサコの一句☆

春うらら サンシュウの花 嬉々として
 
3月の今頃、葉が出る前に枝の先端に黄色の小さな花が球のように集まって開き、木全体がまっ黄色に見えて春うららの暖かい小春日にいきいきと輝いて見えました。

春になると小花が20〜30個ついて、離れてみると交錯した対生の枝に黄色の花房が咲いているのが見えます。

秋には紅葉も見られ、果実は紅く熟して美しく、サンシュウはいろいろな顔を見せてくれます。
 
サンシュウは中国や朝鮮が原産の落葉樹、日本では江戸時代に薬用として渡来しましたが、今では観賞用に庭木などに植えられています。

ハナミズキと同様のハナミズキ科。
 
宮崎県の民謡「稗(ひえ)つき節」に出てくる有名なサンシュウの木は、実はミカン科のサンショウの木らしいのです。

薄紅色のアセビ


弥生3月、小春日和に恵まれ暖かくなりました。
 
丸みを帯びた壷のような花房をつけて垂れ下がり、風に揺れてる姿は鈴の音が聞こえてきそうな、そんなのどかな春の日に薄紅色のアセビ(馬酔木)に出会いました。

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☆ヒサコの一句☆

花馬酔木 薄紅色が 鈴なりに
 
薄紅色のアセビは樹木の表面いっぱいに咲いています。

清楚な白色のアセビにくらべ、ほんのり暖かみを感じさせます。

アセビは馬が食べると酔うため、漢字では馬酔木と書きます。
 
動物はこれをよくわかっていて馬や牛、鹿などは食べないそうです。

人間は葉や茎を食べない限り無害なので安心です。

アセビは日陰や乾燥、湿気に強い樹ですのでいろいろな場所に利用されています。
 
年代を経た古い木は見るからに堂々として、鈴なりの花房は爽やかな春を装う樹木です。
 
アセビはツツジ科、学名 アンドロメダ・ジャポニカ 日本原産です。
 
気まぐれな春の風が薄紅色のお洒落な花房を散らしてしまうのだけは困ります。

アイリス


春霞のような柔らかい日差しの中で、薄ぼんやりと昼の弦月が見えていました。
 
家々の庭には匂うような美しい白梅がわが世の春を謳歌しています。
 
上り坂をゆっくり歩いていると、農作業にいそしむ老夫婦を見かけ、畑には、いきのよい春野菜を収穫しているのでしょうか。

大根が地面からせりあがった状態で採り入れを待ちきれず、首を長くしているのが見えます。
 
可愛らしいアイリスは小さいながら、春三月を待っていたように咲いていました。

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☆ヒサコの一句☆

アイリスや 主(あるじ)なき庵 ひっそりと
 
住み人もいない侘しい家の庭にポツンと咲いていました。
 
草丈も低く、花色は薄青色、どこか寂しげな表情を見せています。
 
アイリスはアヤメの仲間で球根を作るグループです。花色が豊富なうえに丈夫で内側の花弁が斜めに立ち上がるモダンな花形で切り花としても人気があります。
 
小型にしたミニアイリスもあり、鉢植えなどで花店にも出回るようになりました。
 
アイリスはアヤメ科、ヨーロッパ原産、花色は青、紫、赤、白、黄色など多彩です。
タグ:アイリス

八重咲きストック


桃の節句は残念ながら菜種梅雨のような雲が垂れ込め、午後遅くに雪になりそうな肌寒い天気になりました。
 
八重咲きストックの白い花は豊満な姿で咲いています。

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☆ヒサコの一句☆

ストック花 段々畑の 登り口
 
ストックはおもに冬の切花として白、ピンク、赤、紫色の芳香のある花として私達に馴染みがあります。
  
ストックは寒さに弱いので日本では房州や紀州などに多く、一面の畑に広がる光景を見たことがあります。
 
普通は温室やビニールハウスで保温しなければ、花が咲こうというとき霜を浴びてしまうことになります。
 
ストックは一重咲きと八重咲があります。
 
種をまけばまず一重と八重咲きが半数ずつ出ますが、一重咲きは性質が弱く、発芽後に育たないものがあるので最後に花が咲く頃には八重咲きが大部分になり、残りが一重咲きになります。
 
種をまいて発芽した頃、元気に育つのが八重咲き、また子葉が丸いのが一重咲きです。
 
八重咲きだけを残したいときは苗をそのように間引きすればよいわけです。
 
しかし、八重咲きは雄しべも雌しべもなく花ビラばかりで種が取れないため、種を取るには花弁が四枚の一重咲きを残しておけばよいわけです。
 
ストックはアブラナ科、原産地は地中海、別名アラセイトウといい鉢植え、庭植えなどに利用されています。

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プリムラ・ポリアンサ


雪空に雲がたちこめ、冷たい風は肌を刺し、弥生三月になっても春の便りは少し先になりそうです。
 
庭の鉢植えプリムラは色鮮やかに咲きそろい、あたりを暖かく包んでいます。

サクラソウ科のプリムラ・ポリアンサです。

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☆ヒサコの一句☆

プリムラや 一番星の 色冴える
 
プリムラは日本原産のサクラソウに対し、外国原産で常緑性の種類をプリムラとよび、春の代表的な鉢花として親しまれています。

以前は形も小さく黄と赤色だけでしたが、その後、外国から種子が導入されると大輪のものや色とりどりの花色のものまで栽培されるようになりました。
 
いままでに見られなかった紫や青色までそろうようになりました。

国内でも改良がすすみ、色彩豊かなものが多く、種類もたくさんできました。
 
鉢植ばかりではなく、庭や公園の花壇にもよくみられます。
 
プリムラは風雨にも強く、寒さにも色あせず健気な花ですが、夏の暑さに弱く、春に咲いたプリムラは7月にはやせ衰え、8月の暑さと乾燥でとけてしまうことが多いのです。
 
そのためプリムラは水やりと日陰の涼しい場所で夏越しさせます。
 
パンジーやビオラと同様にプリムラは春を告げる愛すべき花ですね。
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